ボクの生まれは鹿児島じゃないらしいんだけど、モノゴコロついた時にはすでに鹿児島の国分ってところに住んでたワケで、生まれたのは鹿児島って言ってもいいみたいなモノ。
それは別にどうでもいいんだけど、ボクが幼稚園に入るかどうか、その頃、ボクの記憶が正しければ、ウチの姉ちゃんが、ウチの親に「ネコが欲しい」って言ってて、たまたま親戚のウチで生まれた白黒のブチを貰ってきたのが、ボクにとってのネコの始まり。
このネコ、よくもまあ、いろんなモノをペロペロ舐めるんで「ペロ」だったんだけど、こいつがアホだったんですね。
高い所に登るのは好きなんだけど、恐くて自分では降りることができない。一度近所の家の庭にある木に登ってて、降りれなくてギャーギャー鳴いてるの。仕方ないから登って助けに行くんだけど、そこのウチの人が出てきて「コラーッ！」だって。ネコといっしょに走って逃げるの。
あと、シッポの先が折れ曲がってて、それが冷蔵庫のドアのハンドルに引っかかって取れなくてギャーギャー鳴いてるの。腹抱えて笑ってやったら、スネてましたね。
まあ、後になって人間から見たらネコは基本的にアホだって気付くんですけど。
「ペロ」がウチに居たのって、本当に昔むかしなんで、あんまり覚えてないんですけどね。
最期は、クルマに轢かれて死んじゃった。
当時ウチの母親が、内職やってて、その部品とか運んでくるおじさんが、
「お宅のネコじゃないですかねえ？」
って、既に生きものではなくなったペロが道端に転がってるのを教えてくれたワケ。
ボクは近所に遊びに行ってて、それ見てないんだけどウチの姉ちゃんとボクが見ないうちに、ウチのおやじが庭に埋めてお墓作ってあげたらしい。
その時住んでた家って、貸家だったんだけど、今でもそのまま残ってて、知らない人がちゃんと住んでる。
実家に帰る度に、その家の前を通ってみるんだけど、なんだか「ペロ」がひょこって出てきそうな雰囲気はそのままなんですね。
