やがてウチの親が家建てたんで、市営住宅から引越すわけですよ。で、おやじが言うには「ポンコだけ連れて行こう」なんですね。
新築の家を、ネコ３匹に引っかき回されるのがイヤだったみたい。でも、みんな気持ちは反対で、ガーコもチビも連れて行きたいわけ。でもいよいよ引越すときになって、捕まったのは、ポンコだけだったんですね。ポンコは新しい家に馴染まないのか、オドオドしてるんですね。子供がいないのが心配どころじゃないみたい。
これまで住んでた市営住宅は取壊されることになってたので、誰も入ってこないんですね。鍵も開けっ放し。で、ガーコとチビのためにエサだけは置いてたんですね。
そしたら、ガーコとチビを、新しい家に連れて来たのは、仕事帰りのおやじでした。
新しい家にやって来たガーコとチビは、びっくりして走り回るんですね。どこもかしこも。廊下だろうが畳だろうが、台所だろうが、とにかく走りまわる。障子なんか破りまくりなんですね。
ボクはガーコとチビがやって来たのでうれしいし、元気なんで良かったんですけど、おやじは複雑なき持ちだったでしょうね。
ガーコとチビが元気に走り回るのとは、対照的に、ポンコは大人しいんですね。あまり動かない。
そんなある日、ソ〜っとポンコが外に出たんですね。
ボクがポンコを見たのは、それが最後でした。
「ネコは家につく」って話、聞いたことあったので、誰も住んでいない市営住宅の方とか探しにいったりするんですけど、
「ネコは死に目を飼い主に見せない」ってヤツだったのかな？
東京の学校へ通うようになった姉ちゃんも残念そうでした。
でも、ガーコとチビの活躍はこれからが全開です。
